2/3、ZAZEN BOYS磔磔行ってきました。

実は、ZAZEN BOYSのCDは聴いたことなかったり、Number Girlも渋谷クアトロのLIVE盤をちょろっとかじった程度の知識しかなかったのですが、逆に全く先入観のないニュートラルな状態だっただけにけっこう楽しむことができました。

まず、出音を聞いた瞬間に、「すげー!」って思ったのがPAのオペレーター氏が超上手かったコト。リバーヴ・ディレイの処理はDUBであるから当然として、エフェクトに頼らない部分に関しても、いつもの磔磔よりもデカイ音で、それほど歪ませずに太い音でまとめて、しかもDUB処理部分は繊細な音が際立つようになっていました。

バンド自体も、恐ろしく掴みづらい変拍子を難なくこなすバカテクのバックバンドが強烈。そんな後ろがあるからこそ、向井も強烈なキャラを全面的にぶつけていけるのでしょう。それほど違和感無くNumber Girlのナンバーも演ってました。

・・・でもねぇ、俺の心に響いてくる音かと問われたならば、やっぱり「違う」としか言いようが無いのです。向井・Number Girlをはじめとするイマドキのオルタナティヴ・J-Rock全般に言える事なのですが、アグレッシヴな音を求めるあまり、ヴォーカルは前面に立つことをやめ、歌詞における言葉が解体され尽くし、主張もメッセージも何も無くなっていて、完全に、意味を成すことを放棄している印象すら受けてしまうのです。

結局、迫力とインパクトだけしか感じさせない、もっとハードな音が出てきたら、それで忘れられてしまうモノとしか俺には受け取ることができません。

70年代〜80年代にかけて、日本にも多くのロックバンドが出現しましたが、その中で現代でもしっかり残っている(醜態さらしてオヤヂがノスタルジーに浸っているだけ、という反論は受け付けません!)バンド・ミュージシャンの共通項は、根っこの部分はアンダーグラウンドでありつつも、しっかりメジャーを見据えて、言葉を持って闘った、という点につきるのではないかと思います。憂歌団ARB、Roosters・大江慎也RCサクセション忌野清志郎etc・・・

それに対し、今のオルタナのVo.スタイルの始祖にあたるような連中はシーンから消えたり、死亡して伝説になっちゃったり、成功していてもロックではない、別の土俵だったりします。東京ロッカーズ、関西NO WAVEなんかは今や再発盤でもてはやされるだけの存在で、町田町蔵一発屋の小説家、ばちかぶりの田口トモロヲは俳優、有頂天のケラは舞台へ、オーケンは音楽もやってるけど文筆業も仕事の割合としてはかなりの大きさを占めている。

まぁ、これは僕の考えに都合の良いサンプルを考えただけゆえ「××はどうやねん!」「△▼もいるぞ!」などのご指摘もあろうとは思うけど、何かしらの分水嶺というか、人の心をつかんでいく上での境界線が見えなくもないと思うのである。

そういった意味で、向井秀徳は、僕の大好きな博多のRockerの末裔であるからして、ラウドなアグレッシヴさの中に、別に曖昧なスローガンでなくてもいいから、何かしらのはっきりとした意味を持った言葉でマスへ向けた活動をしてほしいなーと思うのです。



・・・・追加報告。その磔磔のLiveですが、PAブース前にノイマンというメーカーの“U87 Ai”とゆー、めっちゃ高級なマイクをL・Rペアで立ててLiveレコーディングを行っていました。
記録用にしては豪勢すぎるし、ひょっとしてLive Albumがリリースされるかも!?