●04.8.1. 平成トリオ @Fuji Rock Festival; Orange Court

石田長生(from BAHO)、木村充揮(ex.憂歌団)、有山じゅんじ(ex.上田正樹サウス・トゥ・サウス)という関西ブルース界の超大物によるギター漫才、もとい、アコースティック・ブルースのユニット。イマドキのパンクやオルタナ系の外タレや若輩邦ロッカーだけでなく、こういう年寄りロック・ファンもちゃーんと楽しめるラインナップを毎年しっかり揃えるあたり、フジロックは本気で凄いと思う・・・。

自分は木村充揮のファンなんだけど、実は平成トリオとしては今回が初体験だったわけですが・・・観ていて、どうも、木村さんの存在感が弱い、というか、音・キャラクターを含め、全体的にアンバランスな感がありました。

そもそも、石田長生有山じゅんじの二人は本来ギタリストであり、、なおかつ、濃縮男性ホルモンがドピュッと放出されているような野太い声質。それに対して木村さんはかすれたカン高いダミ声がウリで、ギターはジャカジャカとコード弾きの伴奏が中心。そんな感じで、どう見ても木村さんだけ浮いてるんですわ。

三人同時に歌うと、木村さんの声が特徴的すぎてハーモニーが成立してない、ギターソロを回すと、石田さん・有山さんは押尾コータローも真っ青なフィンガリングで偶然その場に居合わせた若い衆をも沸かすけど、木村さんはなんか普通(笑)で、すーっと終わる、みたいな。

「平成トリオ名物ソロコーナー」ってコトで、有山→木村→石田の順に一人ずつ弾き語りを披露したんやけど、木村さん、“パチンコ”“おそうじオバチャン”みたいな必殺の超絶的に楽しい初期憂歌団ナンバーをかましてくれれば楽しいお祭りの雰囲気にマッチしてたと思うのに、“Que Sera, Sera”というバラードで、会場をなごませて・・・。これは別に、それはそれで良い雰囲気で、観客も聴き入ってたんだけど、その直後に出てきた石田さん、「二人ともシブかったから俺チャラチャラしよーっと!」立ち上がって黄・黒の縦縞、阪神タイガースカラーにペイントされて関西土着の民族楽器と化したOvationのエレアコをジャカジャカかき鳴らして「Hey!」(Hey!)なんて客席と掛け合いをするアップテンポな曲やったもんだから、場の空気としては、完全に石田長生が持っていってしまった(笑)

そんなわけで、木村さんの存在感が見えてこないステージだったためフジロッカーな若い衆にその凄みが伝わりきらなかった点で、俺個人はちょっとばかし残念だったわけですが、ステージの御三人様は至極ご機嫌で楽しくやっているわけで、外野がやいのやいの言うのは大きなお世話も甚だしい、そんな平成トリオのギター漫談ブルースのステージでありました。


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<参考LINK>

石田長生 公式WebSite http://ishiyan.com/
木村充揮 公式WebSite http://www.kimuraatsuki.com/
有山じゅんじ 公式WebSite http://ariyamanayoru.web.infoseek.co.jp/