雨が降る日には
 濡れるだけさ

   晴れた日には
    ゆっくりそれを乾かすだけさ

“雨の後、路は輝く” word by 山口洋 (HEATWAVE)

8/19,20 RISING SUN ROCK FESTIVAL 2005 in EZO @石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ


RISING SUN ROCK FESTIVAL 2005 in EZO 、行ってきました。いろんなところで言われているように、今年は雨との戦いとなったRSRでしたが、十分に「想定の範囲内」だったし、むしろ、「雨に濡れながら馬鹿騒ぎで燃えている」そのこと自体が非日常な感じで楽しかったな。

なんでそんなトータル10万円近くもかけてロックバンドの祭りを観に行くのかって、つまるところ、「日常と完全に切り離された空間ゆえの高揚」。これにつきるのです。早い話が、仕事のコトを一切忘れて朝イチバンから酒を飲んで、ロックンロールでトんで、寝たい時に寝て・・・っていう。

こういう、ド田舎(失礼)・泊りがけでの本格的ロックフェスは、去年のフジロック以来なんだけど、ある意味、楽しみ方が完全変質したような気がする。フジロックの時はまだ大学生だったもんだから、「人生」という長期スパンで考えれば、職業そのものが「非日常」なわけで、「日常との断絶」という意味での気持ちよさはあんまり感じなくて・・・むしろ、邦洋問わず、“ロックバンドの見本市”ということで貪欲に、つまみ食いで「あれも観て、これも観て・・・」みたいな楽しみ方。それに対し、今回のライジングサンは「無理にあれこれ観ない、極力歩かない。これが大人の楽しみ方」とかいっちょまえにほざいて、前掲の山口洋氏の歌詞のような、場当たり的で、のんびり、レジャー的な楽しみ方だったように思う。

私事ではありますが、仕事は順調とは言い難く、職場の直の上司とはめちゃくちゃ折り合いが悪いし・・・で、人生の踏ん張りどころ、(ほんの少しだけ存在する)社会性の欠片を鰹節のごとく削り続けている日々。そんな中、RSRから帰ってきて出社したら、だしぬけに「どうしたの!?なんかすごくスッキリした顔になってるよ!」とか上司に驚かれました。。。(じゃあ、普段の俺の表情って一体・・・!?)


まぁ、ごたくはおいといて、実際に観たアクトを時系列、小難しいことや・理屈は抜きに、思いつくまま、短評的に・・・
ちなみに、(笑)が多くなると、論理を完全放棄してヤケクソのノリ一発で書いている証拠です。。。


8月19日(金)

15:00 怒髪天 @Green Oasis

増子の兄貴、絶対なんかやってくれるんじゃねぇか・・・と思ってたけど、ホントにやらかしてくれました(笑)。いつもの「正統派スタイル」のリーゼントではなく幽遊白書の桑原ばりの真正面にそびえ立つリーゼント、毛筆体の漢文があしらわれた白地のワイシャツ。「あんたは鳥肌実かい!」。(これ、画像を見てもらえれば感じがわかると思う)ラスト・ナンバーの“サスパズレ”では「テントで寝てるヤツを起こす!」とか言って、ステージを降りてGreen Oasisの入り口の、支柱によじ登って歌う兄貴!!いやいや、ものすごい大迫力でありました。

(後日談。週明けて22日、渋谷Eggmanにて行われた怒髪天ワンマンにて、兄貴曰く「テント内が酸欠で苦しかったから外に出たかった」だそうです。)


16:10 KING BROTHERS @Green Oasis

うーん、相変わらずというかなんというか。「ぎょえぇぇぇ!」と叫んで、マイクを客席に投げればロックか、人生オッケーか、というと、俺は絶対思わない。ノイズの嵐の中に、怒りと雄叫びの中に、かすかにでも「知性」が光っていてこそ、のロックンロールであると俺は思う・・・


17:20 麗蘭 @Red Star Field

今年のライジングサンのベスト・アクト!どしゃ降りの雨の中、屋根の無いステージでの演奏。条件的にはかなり厳しいものがあった。そこでPlayされた、ゆるゆるのレゲエ・ナンバー“たそがれSong”。「もう黄昏 神様どうにかしてくれ♪」。願いが通じたのか!?急に雨が小降りになり、MCでChabo氏が「ウッドストックでなー、“No Rain!”って叫んだら雨が止んだんだぜ〜!」と、おやぢのウンチク話を披露、客をアオったら・・・本当に、バッチリのタイミングで雨が止んだ!!「演出?」ってくらいデキスギの瞬間だったなぁ。

それに加えて、麗蘭ってオーディエンスの雰囲気が最高。単純に馬鹿騒ぎをするために集まっているんじゃなくて、観客がキチンと音に反応している感じがする。Chabo氏と蘭丸氏のギターの掛け合いがビシッと決まったら、音のキメにしっかり反応してスタンディング・オヴェイションを返す。逆に、瞬間的にでもリズムがモタついたりしたら、微妙な空気が瞬間的に観客間にも伝わる。しかし、俺みたいなヒネクレたウルサ方系の人種なのかと言うと、全く違う。むしろ、かなり温かい雰囲気。こんな良い雰囲気のファンばかりを持ってるミュージシャンなんてなかなかいないよ!?これもひとえにChabo氏の人柄によるものなんだろう。去年のツアー・タイトル“ロック馬鹿と知的ヒッピーを元気にするTour”。Yeah!看板に偽りなしだ!!


19:00 LOSALIOS @Sun Stage

初日のかなり良い時間帯にコテコテのトリッピンなジャム・バンドが出るというのも凄いハナシである(笑)Ba.のTOKIEがセクシーでカッコ良かったな。でも、レジャーシートで半分Zzz....


20:20 BOOM BOOM SATELLITES @Sun Stage

予想以上の収穫。リズムがかなりかっこいいね。最後まで観たかったけど、Heatwaveに備えて途中でGreen Oasisへ移動。


21:15 THE COLLECTORS @Green Oasis

途中から観たけど、これもなかなか。なんとなくManfred MannやHerman's Hermitsを思い出した。終盤、Heatwaveに備えてすこーしづつ、すこーしづつ前のほうへ。(ごめんなさい)


22:00 HEATWAVE @Green Oasis

基本的に俺はライヴは後ろのほう、音の最も良さそうなポイントでユルユル楽しむ派なんだけど、せっかくの機会だし、たまには最前ド真ん中へ行ってみる(笑)。最前列というのは、どうしてもPAから出力される音の死角になってしまって、モワモワの音しか聴こえないのが常。今回のライヴもその限りではなく、目の前で山口洋がバリバリ歌って、ギターを弾いているのに、音は後ろからぼんやり聴こえてくる・・・という状況。これは仕方ないのだが、唯一、ハッキリ耳に突き刺さってくる音が。そう、池畑兄貴のドラムの生音である!バスドラのヘッドが振動しているのが肉眼で見える!!モニター・スピーカーから返している音量がそれほどでもないからか、生音がけっこう聴こえたのは思いがけない楽しいポイントだったかなと。


22:45 初日終了。個人的にはこのまま電撃ネットワークを観る気満々だったのだが、同行の相方がびしょ濡れで不快モード全快だったので、あきらめて本日の宿泊地“ホテル・ド・相方の車”へ。



8月20日(土)


13:00 ORANGE RANGE @Sun Stage

本当はウラでやってた赤犬を観るつもりだったのだが、「のんびり、ゆったり、あせらない。大人の楽しみ方。」つうわけで、レジャーシートで寝ながらORANGE RANGE。ああいうアウトサイダーの香りが全くしない、お子様向けロックもどきを観てると本気で腹が立つ。エエかげんにせえよ、ファック・ユー!ゆう感じ。悪態ついて爆睡。(笑)


14:15 氣志團 @Sun Stage

こいつら、東京ドームで解散していたら「をを、80年代を徹底してるな〜」ゆうことで許してやらなくもなかったんだが・・・別に俺はエンタメであることを否定はしないが、こいつらのオマージュの手法は「尊敬」とか「遊び心」というよりは「茶化している」という感じがして、かなりむかつく。大体、「綾小路サマ、キャー!」ゆうてる婦女子はパロディの元ネタをちゃんと理解してんのか?聞くところによると、BOφWYのシルエット・ロゴを見て「これ氣志團のパクリだ!」とか言った輩がいるらしい。本末転倒!エエかげんにせえよ、ファック・ユー!ゆう感じ。悪態ついて爆睡。(笑)


15:30 ELLEGARDEN @Sun Stage

現在赤丸急上昇中、日本で最も勢いのあるバンド・・・なんだろうな。印象としては「つるんとした」感じがする、今時の子供達。札幌の定食屋のおばはんに叱られて書いた曲・・・だとか、「ちょっとイイ話」をMCでしたりとか・・・。歌詞はほとんど英語だったが、なんとなく326や相田みつをに通じる“上っ面”な感じがすごくする。喜怒哀楽の「怒」「哀」がコロリと抜け落ちている感じ。まさに「明るく楽しい良い子のパンク・ロック」!エエかげんにせえよ、ファック・ユー!ゆう感じ。悪態ついて爆睡。(笑)


16:30 銀杏BOYZ @Earth Tent

「戦争反対叫んでりゃいいんだろぉ!戦争反対叫んでりゃいいんだろぉ!♪」峯田の怨念と鬼気迫るシャウトは大迫力でした。でも・・・あの・・・おたくのご友人のサンボマスターさんは「愛と平和ーっ!」って、おもくそ叫んではりますが・・・?(笑)
ひたちなかでの事件を引き合いに出してのMC「俺は・・・あの時・・・観客が全員俺を嫌っているように見えた・・・」という妄想度満点の言葉はなんかものすご共感するなぁ(笑)
音楽的にはそれほど好きにはなれないけれども、是非頑張ってほしい(笑)


18:20 フィッシュマンズ @Sun Stage

今年のRSRイチバンの目玉!なんだろうけど、フィッシュマンズ自体に全く思い入れがないから、いまいちピンとこなかったなぁ。。。ビール飲みながら、ぼんやり観てました。UAのヴォーカルが夕暮れの空に吸い込まれていくような感じがして、ゆるゆるの良い塩梅だったかなと。


19:30 THE HIGH-LOWS @Sun Stage

ここからが20日の本番!モッシュ・ピットに突撃〜!!

ロック・フェスって基本的にはリハなしのぶっつけ本番になるので、PA的にはかなり厳しい状態であることが多い。本番、限られた時間内に、いかに合格ラインの音を作れるか、エンジニア氏の腕が問われるシチュエーションであると言える。その中で、今回のハイロウズの出音はめちゃめちゃCoolにキマってたのではなかろうか!?
ヴォーカルがバッチリ聴こえて、それでいて耳に痛いノイジーマーシーのギターが音の壁を作って・・・てな具合に、レコードの音に近い、Vo.とGt.の両立した凄いミックスだったと思います。
惜しむらくは春のARABAKI Rock Fes.、FLY THE FLAGとセット・リストがほぼ同じであったこと。これ以上聴きたきゃワンマンへ行け!ってなハナシではあるんだけれども、もっといろいろ聴きたい・・・というのがあるかなぁ。


20:45 ROSSO @Sun Stage

ロック・フェス仕様のセット・リストだったのでしょうか?イマイが中心のアバンギャルドな曲は外され、構成のカッチリ決まった、確実に盛り上がるナンバーで構成されていた気がします。ま、それはそれで好きなんだけれども・・・イマイの変態的でフリーキーなギターソロを楽しみにしていたファンとしては少々肩透かしかな・・・。まぁ、ワンマンと違って時間的制約が大きいから仕方がないのだけれども。

(どうでもよい話。最近、渋さ知らズのLIVE DVDを観たら、イマイがギターを担当していた。驚き。)

ここでいったん、モッシュ・ピットから離脱。


22:00 SHERBETS @Sun Stage

うーん、決して嫌いではないのだけれども・・・ベンジーの歌詞は好きなのもあるんだけれども・・・どうにもエエとこのボンボンがヤンキーを気取ってる感がするんだなぁ・・・寝転がって、ビール片手にだらだら観賞。


23:00 THE MODS @Earth Tent

Earth Tentに着いて軽くビビる。観客が実にToppoい!濃いい!!熱気の濃密さ、という意味ではRSRでイチバンだったかもしれない。別に観客が少なかった、というわけでは全く無く、むしろ予想以上に多かった気がするくらいだけど、それでいてあの張り詰めたテンションつうのは本気で凄い。もしあの中で「俺はARBファンだ!」なんて叫んだら、その瞬間、袋叩きに遭いそう!?(笑)
しかもまた出音のほうも本気で凄かったんだわ。圧倒的にリズム隊がカッコイイ。ほんとビシバシ決まっているのよ。重いけどシャープ、That's Cool!!
セット・リスト的には、中盤に演奏された“BLITZKRIEG BOP”〜“C'MON EVERYBODY”〜“I FOUGHT THE LAW”のCover三連発。Ba.北里→Gt.苣木→Vo.森山と、ヴォーカルを回して歌っていたんだけど・・・実は、以前何かで読んだところによると、MODSのマネージャーが憂歌団のライヴで、中盤、Gt.内田勘太郎氏のコーナーでVo.の木村充揮氏が休んでいるのを観て、MODSでも森山を休ませるためにCoverのコーナーを思いついたらしいのである。・・・でも、実際、このCoverコーナー、はっきり言って「休憩」な雰囲気は一切無し!つうか、森ヤン、思いっきりギターをコードストロークして舞台上を動き回ってますが!?普遍的名曲の激烈Coverの音に誘われたのか、モッシュ・ゾーンにはMODSなんか知らないであろう若い衆もどんどん入ってきているし・・・!!
そしてラスト・ナンバー。“TWO PUNKS”。MODSには疎い俺でも、これは歌える(笑)隣のToppoいお兄さんの邪魔にならないよう、耳を汚さないよう、適度な音量で一緒に歌ったですよ。

「Two Punks、縛られて、To Punks、見張られて、Too Punks、逃げられない・・・♪」


23:45 忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS @Sun Stage

たぶんMODSとかぶるから、ここは諦めてGreen OasisKOOLOGIを観よう・・・と思ってたら、Sun Stageが押してて、ギリギリセーフ!間に合った!神様、ありがとう!またしてもモッシュ・ピットに突撃。前述の通り、フェスにおいてはぶっつけ本番、リハ無しが基本。そんな環境ではキヨシローの大所帯バンドの調整は難しかったのだろう。ホーン・セクションの出音がやたらと痩せた感じで少々脱力・・・。
しかしながら、日本のロック界において、老若男女、全ての世代を繋ぐことができるのはこの人をおいて他にはいないであろう。場所取り目的だったであろうアジカン・ファンの女の子までが“雨上がりの夜空に”を一緒に歌っているのを見て、おじさんは感動してしまったですよ。だからこそ、キヨシローもずっとずっと、マンネリを乗り越えて“雨上がりの夜空に”を歌い続けることができるのだろう。


・・・でも、あえて言いたい。結局、RCサクセション的な音と世界観に回帰してるんだし、ぼちぼち全盛期のメンバーで(一時的にでも)再結成とかしてほしいなぁ〜・・・なんて・・・


25:00 うつみようこ & YOKOLOCO BAND

開始前、なぜかピーズのGt.の人がローディやってたけど、あれはなんだったんだ?19日、HEATWAVEの転換の時もウロウロしてたし・・・

今回のアクトとしては、少々、若干、ちびーっと印象が薄いかもしれない。いや、演奏イマイチとか、そんなんじゃないんだけれども・・・RSRの前、下北沢440で行われた“うつみようこ40歳記念LIVE”があまりにもインパクトがありすぎて、それにかき消されている、ゆう感じ。ま、そういう特別なライヴと時間の限られたイベントを比べてはイカンとは思うけれども、、、
RSR演奏曲では“夢の中”(Bo GumbosのCover)が良かったかな。ソウルフルで力強いヴォーカルが、オリジナルとは全く違う味わいでありました。


25:45 ASIAN KUNG-FU GENERATION @Sun Stage

最後の1曲だけ。でも、全然面白くなかったのですぐにZzz....

26:15 CRAZY KEN BAND @Sun Stage

最初の1曲くらいでZzz....。まぁ、興味ナッシングやしねぇ・・・・


27:30 くるり @Sun Stage

朝焼けの中、ぼんやりレジャーシートで寝転がって観ていました。ぼーっとしていたので、あんまり記憶に残っていないのですが、ダンサブルなヒット曲は排除、ゆるやかでGroovin'な演奏がカラッポの頭を横切っていったのと、モッシュ・ピット最前列の人に「君、何時からそこにおるん?・・・・そんなおんの!?君、死ぬでぇ!」という問いかけをしていたMCだけが記憶に残ってます。


28:45 斉藤和義 @Sun Stage

疲労困憊、思考停止、でも現実に戻る時間が近づいてくる、ぼちぼち帰り支度を始めないと・・・そんな時間に行われたラスト・アクトは斉藤和義氏。どーせ、近所の兄ちゃん的なフォークっぽいヤツで、地味系のおねーちゃんが「キャー!」騒ぐだけやろう・・・と思ってたのだが、いやいや、なかなかどうして、歌詞が良い感じだったなぁ。

「わからないものはわからない ずっとひねくれてるばっかじゃ脳がない 波風の無い空気は吸いたくない 僕の見たビートルズはTVの中♪」

なんかもう、言葉の並びが絶妙やね。強く感情を表明しているわけではないけれども、喜怒哀楽が全部詰まった言葉、「TVの中」という妙に寂しいけれどもリスペクトを感じる一言。スゲエです。
ラスト前、“彼女は言った”では・・・

「耳元で言った『ねぇ入れてよ』、彼は言った『何が欲しいのさ』、彼女は言った 『おちんちん!!』 Yeah!その通りだ!♪」

はい、思考停止の頭にソートー効きました。意味も無く馬鹿笑い。げらげら、あぱぱ。
後で知ったのだが、斉藤和義氏、シモネタ大魔王なのだそうで。そういえば、斉藤氏のファンである俺の知り合いの女の子もシモネタ耐性かなり高い人だったなー・・・とか、だしぬけに思い出したりとか。。。




長々と書き殴りましたが、俺的RSRはこんな感じだったですかねぇ。
普段みたく、あんまり批評的視点でライヴを観てなかったもんだから、記述した内容的には少々いかがなものか・・・な点が多々ありますが、ま、たまには本来の意味での日記的な文章も良かろう、と思って、推敲・校正ほとんどなしに公開してみました。

来年もまた、フジロックRSR行けたらエエなぁ。。。。
休みが取れるか微妙だけれども。