●6/9 “祝いめでたや菊祭り チンドン三昧ボボ三昧” ソウル・フラワー・モノノケ・サミット/春歌(柴山俊之UNIT)@下北沢 Club251

6月9日、ロックの日でもあるこの日は柴山“菊”俊之氏、57回目の生誕記念日であり、それを記念したイベント。例年は“Kiku Festa”と題して、元・The RoostersSheena & The Rokketsなど、博多出身のRock'n'Roller達が大集合して一晩中Sessionを繰り広げるのだが、なぜか今年は我らがソウル・フラワー・モノノケ・サミットとの対バン。

柴山俊之氏と中川敬氏と言えば、去年“The Cover”というアナーキーの仲野茂氏プロデュースのイベントで一緒になった事はあっても、直接的なカラミは特に無かったし、性格的にも合うわけでもなさげに思えたので、私としては、かなり意外な組み合わせなのだが、なんでも、柴山氏がソウルフラワーの大ファンで、東京のLIVEにはよく出没しているらしく、今回のイベントは直接、中川氏に電話をかけて出演を依頼(脅迫!?)して実現したそうな。

んで、あいにくの雨天だったのですが、会場に着いてビックリ。客が多い!会場待ちの列が長い!関西だとモノノケ・サミット名義のLIVEの時はずいぶんのんびりした感じだし、今日はあくまで柴山氏の前座である。客層も関西に比べて(明らかに菊目当てに人は除いて)すこし若い!東京でのSoul Flower Unionの盛り上がりは凄いという噂は聞いていたものの、こんなに凄いことになっているとは思わなんだ。

んで、開場・開演したんだけど、Soul FlowerのSE、アルバート・アイラーの“Spirits Rejoice”が流れた途端、後ろのほうでだべってたソウルフラワーのファンが焦ってダッシュで人をかきわけ前へ移動しやがった!!き、貴様ら!まさか柴山御大が前座だと思ってたのか!?(驚)まぁ、彼らはSonhouseなんか知らないだろうし、仕方ないんだろうなぁ。現に、俺の横に立ってた2人組は、「今日の対バン、ドラムは元ルースターズでキーボードはボ・ガンボスだよ」とか喋っていて柴山氏のことは「さぁ?誰だろう?」で片付けられ・・・(泣)博多のRockを愛する人間として小一時間、説教したくなりましたねぇ^^;;

この日はヒデ坊の代打で内海洋子さんが下手のチンドン太鼓を、東京では珍しく樋野展子さんがSAXを吹いていて、さらにモノノケでは初登場のKOKI氏がパーカッションを担当するかなり豪華な編成で、出演できなくなった横浜寿町の分まで演奏、Live Houseでモノノケ、つうのも微妙かなと思っていましたが、そんなのは杞憂に終わって、関西のゆるんだ盛り上がりとはまた違った、かなりの盛り上がりでした。(別に観客に対する文句でもなんでもなしに)こりゃ確かに寿町とかの街中でやるFREE LIVEには呼びにくいわなぁ。

そして、本日のメイン・アクト、春歌の出番。どういうBANDかを文章で説明するのはアレなんで、Ruby(柴山氏が在籍していたバンド)のWebSiteで公開中のLIVE映像を見て感じ取っていただくとして、この日のバックバンドはギター・下山淳(ex. The Roosterz)、ドラムス・池畑潤二(ex. The Roosters)、キーボード・KYON(ex. ボ・ガンボス)。ベースは不在で、曲によっては奈良敏博氏のプレイと思われる録音音源をKYON氏が同期マニピュレートしておりました。

私自身は柴山氏・Sonhouseのファンゆえ、当然この春歌がいかなるコンセプトのBANDで、どんな歌を歌っているかも当然知っていた上でこのイベントへ足を運んだのですが、前述したようにこの日の客はSoul Flowerファンの若い衆がメイン。

いちおう、モノノケの最中に中川氏から春歌についての簡単な紹介があったものの、やっぱり実際に演奏が始まって、菊が「金太が万公に〜♪」なんて歌いだしたら、大爆笑する男、ひいちゃったおねえちゃん、気まずい雰囲気になったカップル(←いい気味だ!)等、全員が千差万別の反応を示していたのが楽しかったですねぇ。3曲目、“かぞえ歌”で「九つとせ 皇后陛下とする時にゃ 死刑覚悟でせにゃならん♪」と歌った時だけは全員が大爆笑したのもSoul Flowerのファンらしくて笑えたなぁ。

客席はこんな感じで、人によって反応が全く違うため、「大盛り上がり!」という状況からはほど遠かったのですが、柴山御大はそんなことおかまいなしに、いつものマダムだけではなく、若いおねえちゃんがたくさん来てるからか(笑)、現在メインで活動中のZi:LiE-YAでは見せないような満面のニヤニヤ笑顔を見せ、終始ゴキゲンで、明るく、楽しく、あっけらかんと性の悦びについて歌い上げておられました。

しかし、これがお遊びで1曲・・・とかならともかく、最初から最後までずっとこの調子でやってるもんだから、菊の性器・・・もとい、生気にアテられたのか、最後のほうには客全員、みーんなグッタリしておなかいっぱい、拍手もまばらな状態に。最初と最後の反応がここまで違うBANDというのも珍しいなぁ。アンコールは春歌とモノノケ・サミットのSessionということで転換中、ステージではチンドン太鼓や三線がセッティング中であるにもかかわらず、誰一人、呼び込みの拍手をせず、内海洋子さんが、とーっても困った顔で開口一発「あ、あの〜・・・アンコールなんですが・・・(汗)」。とは言っても、モノノケサミットが再びステージに上がったため、客席も再びドカンと盛り上がり、“ドンパン節”ではレアな下山淳の歌も聴けたりしてラストの“豊年音頭”で絶頂、完全に果てました。

んで、ふと気づけば既に23:05。かなり長いLIVEだったことがわかります。まさに特盛どろどろ汁ダクの柴山氏57才(!)のバースデイ・イベントでありました。

後日、ネットでの各種感想を読む限り、フェミニスト系のソウルフラワーファンのおねえさん方も特に怒っている様子もなく、“Sister, Say No!”で「私は男に服従しない!」とマッチョイズムへの嫌悪を叫んでいる内海洋子さんまでもが日記で「わいもいつか「**ぽ」の唄たくさん歌いたいのー。」と、春歌に好意的な感想を寄せていたのには、社交辞令半分といえど、Soul Flower Union柴山俊之氏、両方ファンである者として非常にウレシかった!ここは一発、中川氏がリップ・サービスで喋っていた「今度、春歌といっしょにツアーやろか!」を実現してほしいですねぇ(笑)