●6/12 Soul Flower Union“極東戦線異状なし!?” @心斎橋クラブクアトロ

11曲入り(笑)LIVE会場限定シングルを引っさげての東阪クアトロツアー。このシングルについては6月18日付の日記を参照していただくとして、LIVEのほう感想なのですが、伊丹英子さんの産休・欠場以降、最高のアンサンブルだったのではないでしょうか!?

私が初めて見たSoul Flower UnionのLIVEは“年末ソウルフラワー祭り 2001”で、このツアーを最後に伊丹英子さんは実質上ステージを去ってしまったため、ヒデ坊健在時代の音をハッキリと知っているわけではないのですが、近ごろのLIVEでの音作りの傾向として、中川氏のギターの音がかなりデカくて、非常にアグレッシヴで大迫力な反面、PA的な限界から、生音がそれほど大きくない、マイクで収音しづらいチンドン太鼓やブズーキ等の音が中川ギターの爆音でかき消されてしまっていたと思うのです。

まぁ、それはそれでバンド内で協議して、それを踏まえてミキサーさんがまとめた音だろうから、別にどうこう思うことはないのですが、過去のインタヴューなんかを読む限り、中川氏が前に前に出てくるのをサウンドは勿論、メンタル的にも伊丹英子さんが抑えて中和してたっぽい感があり、その一度だけ見た伊丹英子フル出場時のLIVEまではヒデ坊のチンドン太鼓、ドーナル・ラニーのブズーキなど、イイ感じで全体のバランスが取れた均整のととのった音だったように記憶しています。

そんなワケで、これまでは以上のようなことを考えながら歌って、踊ってSoul Flower UnionのLIVEを楽しんでいたのですが、今回はそこらへんの違和感が完全一掃された出音でした。中川のギターが少しばかり退いたことにより、各楽器にかかっているリバーヴ(エコー)の量感がわかるくらいバンド全体のサウンドの輪郭がクッキリ明確になったと思います。

その中でも特に凄かったのが樋野展子さんのSAX!これまではSAXソロがあるような曲でしか目立った見せ場はなかったのですが、それこそ「ステージ上に立っている時=見せ場」ってくらい甘い音色が美しく曲を彩っていて、特に“荒れ地にて”での中川のギターとのユニゾンは樋野さんのSAXが中川のみならず、バンド全体をグイグイ引っ張ってそれこそ「新しいアレンジ」と言ってもよいくらいキマったアンサンブルを奏でていました。

中川氏のMCも舌好調で、やはり本人がマニア気質を強く持っている人のためか、一家言のある人間の割合が高い(苦笑)ファン層のツボを心得ているらしく、奥野氏の外仕事を揶揄して解散をほのめかしたり(↑あくまでシャレとして、です)、それとなーくバンドの台所事情について言及、あげくの果てには「2chってオモロイな!書いてる人間のレベルが低くて優越感に浸れる!」

Blogなんぞで一家言を公の場に落書きする私みたいな人間には超大爆笑なんだけど、今の小ブレイクはしてるけど、大ブレイクにはつながらない理由はここらへんにあるんだろうなぁ。ごく稀に真に受けてるっぽい人もいたりするし。(^^;;

でも、こういう毒舌をしっかり「芸」として成立させるのって本当に難しいもので、少しでも雰囲気のベクトルが「不快」に向いたら客は2度と来ないだろうし、当然、(一応)人前で顔をさらしてモノを言う怖さも承知の上での話芸であるわけで、「プロ市民」「サヨク」なんて言葉で片付けてよいモノだとは僕は思いません。(Web上の個人的レヴューでたまに見かけるんだ。コレが。かといって、公式SiteのBBSでありがちなのですが、固い生真面目な話題を延々続けられても困っちゃいます・・・)

このように、MCで火の車の自転車操業状態であることすらネタにする我らがSoul Flower Unionですが、演れば演るほど赤字が積もる状態にもかかわらず、何と、この秋には全国5都市をツアーして回るとのこと。損をするってわかってて全国回るなんて、ホントにウレシイ話じゃないですか。こんな良いバンドを金銭問題なんかで潰したら、日本音楽界の大損失ですよ!! だからこそ、ここは是非、、、

CD買え! LIVEへ行こう!! 利益率の高いTシャツも買おうぜ!!!