さてさて、今日の本題。音楽そのものではなく、その再生環境についての話題です。
iPod miniが発売され、銀座のアップルストアには、何と1,500人も並んだそうですが・・・あれだけ小さくてオシャレなデザイン、一般的なHDD容量となると、やっぱ一般の皆様にも売れるんですねー。コンテンツそのもので商売する気が無い、ってのがイチバンの理由なんだろうけど、一般的知名度の全く無い韓国・台湾メーカーはともかく、東芝ソニーもデジタル音楽ファイルプレーヤー市場には前から参入してたし、著作権周りの使い勝手なんか普通の人たちが気にしてるわけなんかないにもかかわらず、iPodがほぼ一人勝ち状態になったのは、やっぱり圧倒的なイメージ戦略の勝利なんだろうなー。さて、実はかく言う私もiPod(miniではなく第三世代、現行の一つ前)ユーザーで、出かける時なんかはよく使っているのですが、「お気に入り」とは到底言い難く、こまかい文句は多々あります。特にアナログ系の回路が少々酷い!過大入力が入ってくると、不自然な歪みを伴った音圧叩きがかかってしまい、ひとつひとつの楽器音の残響に強い違和感を感じることが多いです。ずーっとギリギリまで高い音圧が張り付いている打ち込み系の音色だとそれほど気にはならないのですが、ギターのカッティングみたいに瞬間的にピークがくるような音だとかなり最悪で、スカスカのコンプレッションでつぶしたような音になります。

現行第4世代iPodではある程度改善されたようですが、バッテリー管理系のプログラムの出来も酷い!公称8時間連続稼動だそうですが、実質的には6時間前後くらいでしょうか?新幹線で京都-東京を往復すると、ちょうど計ったかのように電源が落ちます。まぁ、それぐらい使えるなら、目くじらをたてて文句を書くほどでもないのですが、充電時の処理が本気で最悪。ドッグに挿してIEEE1394経由で充電しているのですが、携帯電話やウォークマンだとフル充電した時点で、自動的にチャージを終了するもんだけど、iPodは何と、フル充電したらそのまま放電を開始、空になったら再度充電・・・を延々繰り返す仕様になっています。まぁ、確かにバッテリーには負担はかからないかもしれませんが、充電しているのを忘れて寝ちゃった日なんかはもう最悪で、次の日の朝、無残にもバッテリーはほぼEmpty状態、音楽抜きで出かけなければならなかったりします。

そこいくと、SONYHDDウォークマンを投入した時、開発者の方が「iPodはまだまだ」的な発言をしていましたが、全く持って同感です。バッテリー周りだけでなく、耐衝撃性なども考えられているNW-HD1、アナログ系回路もMDで培われた技術力が生きるだろうし、MP3がサポートされていれば、iPodから乗り換えたのですが。開発したエンジニアの方にもいろいろしがらみはあるだろうし、仕方ないんだけど、やっぱり残念としか言い様がありません。

と、まぁ、このような状態で、不満足ながらもiPodを使用してきたわけですが、やっとこさ「乗り換え」とまではいかないまでも、バリバリに併用できるアイテムを入手しました。

ある意味、「なんで!?」な選択かもしれませんが、Hi-MDです。ポータブル録再モデルMZ-NH1をGETしました。

Hi-MDの詳細な規格はこちらをご覧いただくとして、何と言っても、PCM無圧縮音源の録音・再生ができるのがウレシイ!実際にチェックしてみましたが、アナログ回路がそれなりに良い出来合いな分、iPodでWAV音源を鳴らすより、ずっと厚みのある音が出ていました。

また、Hi-MDモードで録音した音楽データはOpenMG形式になりますがUSB経由でPCに吸い上げることもでき、しかも、×××なコトをすれば、ほぼ劣化のないWAV形式のデータにコンバートできてしまうというオマケ付!楽器やってたりすると、できるだけ良い音で録音、編集したくなるものですし、一般的用途だと中途半端ですが、私みたいな好事家には非常にウレシイ仕様です。

当然、Hi-MDにも不満はあって、従来のMDのように外部バッテリーが使えない、とか、いろいろ思うことはあるのですが、根本的な製品の魅力を考えたとき、iPodは所詮「デジモノ」であって、その本体に付随するソリューションだとか、ハード屋にはない発想が魅力的なのでしょう。Hi-MDは所詮MDで、ポータブル用途といえど、最終的に見据えているのは「オーディオ」の分野。そういった意味で、音楽再生機器として、しかるべき「魂」を持った装置として、私はiPodなんぞよりも、Hi-MDを支持したいと思うのです。