騒音寺 /“まにぐるま”RAGG-006, ROCK A GO GO PARADISE ASIN:B0002LHWTY

待ってました!騒音寺の4thアルバム!発売日はまだ数日ほど先なのだが、某CDショップに先行発売していてひとあし先にGET、くりかえし毎日聴いています。

今回のアルバムを聴いて感じたのが、騒音寺としての比類なきオリジナリティーを完全獲得したな、ということ。

騒音寺は京都のバンドではあるのだけれども、1stアルバムは柴山俊之サンハウスの確信的な影響が色濃く、博多・北九州のロック色を強く打ち出したブルース・ロックからスタートして、2ndはそれにパンクが加わって、“タクシー!タクシー!”という曲ではルースターズの“恋をしようよ”を歌詞以外完全に模倣するという荒業をキメて、3rdにいたってはジャケ写でARBの“W”裏ジャケの写真を真似るという渋すぎる拝借でめんたいロック・マニアの心をガッチリ掴んだ騒音寺、俺みたいなヒネクレ好事家としては、さぁ、次のオマージュは何だ!?と粘着的にジメジメと元ネタをほじくり返してやる意気込みで聴いたわけですが・・・・。この4thアルバム、特に見た・聴いた瞬間わかるような「模倣」が無いのだ。すなわち、騒音寺それ自身としての音が確立したからこそ、これまでは「あえて」所々に配置しておいためんたいロック・マニアをくすぐる罠をしかける必然性が無くなったのかなと。当然、「影響」というレベルでは鮎川誠的なギターのフレージングとか、シンプルだけどしっかり目立つオカズは叩いている池畑潤二を思わせるドラムなんかでこれでもか!ってくらい滲み出ているんだけれども、バンドそのもののGrooveは京都の空気をたっぷり吸った騒音寺流のブルース・ロックそのものなのである。

全体的トーンとして、京都のバンド、「騒音寺」というバンド名からか、昭和歌謡トーンはともかく、歌詞のモチーフや販売促進ノベルティなど、少しばかり和風テイストを意識しすぎているきらいがないわけでもないが、今、巷で流行っている九州ロック・ミュージシャンの末裔と言えば、ZAZEN BOYSMO’SOME TONEBENDERとなるのだろうけれども、こういったオルタナティヴ=「代替」が本流となってしまった2004年現在、まっとうな進化を遂げた「代替」に対する「代替本流」として、70年代・80年代めんたいロックを受け継ぐ音の鳴っているアルバムではないだろうか。

レコ発ツアーの京都公演は8月28日、磔磔にて。ワンマン。実はこの日、ソウル・フラワー・モノノケ・サミットの神戸市役所前FREE LIVEとかぶっていて、どっちに行くか迷ってたんだけど、問答無用で俺は騒音寺を取ることにしました。こんなに絶好調で脂の乗り切った時期を見逃すなんて考えられない!


   -----------------------------------


<参考LINK>

騒音寺 公式Site "Cabaret SO-ON★G" http://fry.to/so-on-g/
●オトサタ.com 騒音寺なべ氏インタビューhttp://www.otosata.com/otosata_paper/paper_so_on_g.htm