●9/30 THE HIGH-LOWS“The★Mustang 04→05”@滋賀県草津文化芸術会館


家からチャリで10分のホールにハイロウズがやってくる!つうことで、特別ファンというわけではないのですが参加してみました。ネイティヴで生まれ育ったわけではないけど、住んでいる街に彼らのようなロックスターがやってくる、ってのは純粋にウレシイ。

単純に「興業」という観点で見れば、こうやって中ホールでやたら本数打つより、それなりに大きな都市の、かなり大きめのホールのほうが効率良いのは間違いないし、現に、草津以外の関西の中ホールでの公演はソールドアウトしてない。それでも、若いバンドみたいにメンバー自身が積載量オーバーの機材車に乗ってやってくるわけじゃないだろうけど、あれだけ売れて生活に余裕もできてるのに30代後半、老体に鞭打って全国津々浦々、隅々まで周って少しでも大勢のファンとコミュニケートしようとする姿勢は本気で凄いと思います。

んで、はじめて生のハイロウズを観たわけですが、出音がCDとコンサートで全く違ってたのが印象的でした。

基本的に、ハイロウズのCDの音ってのはパンクを通過したマージービートというか、録音レベルオーバーの荒々しい音を60年代風のチープなミックスでまとめた、いわば中音域がグッと前にせりだしたような音で全てのアルバムを通しており、ガレージ・ロック全盛といっても、サウンド・エンジニアリング的にはずいぶんHi-Fiになったイマドキのパンクバンドとは、ぱっと見以上に差別化されていてハイロウズの魅力の一つでもあったわけです。

しかし、実際にLIVEではこれが全然違う雰囲気で、バスドラのぶすん、ぶすん、という音をやたらと強調して迫力を出す、という音で、CDでは迫力の源になっているスネアやギターは、キレイ目な音で鳴っているんですよ。

特に、ギターの音が良くも悪くも特徴的で、マーシーが鳴らしているギターアンプから出ている音をPAがマイクで収音する際、あまりにもHi-Fiに収音しているものだから、「歪んでいる音を、そっくりそのままマイクで収音しました」っていう感じで、バリバリに歪んでいるけど、ディストーション・ギター特有の痛々しさがこれっぽっちも再現されていない、ものすごくカユーい出音でした。

スピーカーがV-DOSCという、低域の迫力と中高域のクリアーさをウリにした最新鋭のシステムだったので、最初からそれを狙ったサウンドだと思うのですが、教科書的にステージ上の音をそっくりそのまま拡声するといった具合で、ハイロウズの音の特徴みたいなものが音作りに反映/再現されていたとは思えません。音響屋さんとしては、クリアで気持ちの良い音作りだったのかもしれませんが、イマドキの青春パンクバンドとそう大差ない出音になっていて、終始違和感を感じ続けてしまいました。

もっとも、その「特徴」を再現しようと思うと、機材に非常に負担がかかるような使い方をすることになり、万が一、ツアー途中、地方公演中にン百万の機材がオシャカになったらリペアで赤字どころか、代替機も用意できなくてコンサートが中止になりかねないからそんな無茶なことはでけん!という音響屋さんの立場もよくわかるんですけどね・・・。