●10/2 倉木麻衣Rits メモリアルライブ2004”@立命館大学BKCクインススタジアム


何故俺が選ばれたのか未だによくわかりませんが、id:harada919さんに誘われて足を運んでみました。(笑・ありがとうございました)ウチの大学、つうことで、多くの知人に見つかってしまい、けっこうこっぱずかしかったです(^^;

その見つかった知人、その他友人はロック者の俺が倉木のLIVEに来た、という事実が相当オドロキだったらしく、ある輩には「お前の来るところじゃねー!」とまで言われてしまいました。・・・って、それ、単にイジメられてるだけや〜ん。

まぁ、驚かれるのも無理はないわけで、実際にこのLIVEが生まれて初めて観る、イマドキの、普通のJ-POPのコンサートでした。いろんな意味で勉強になって、予想外に楽しめた気がします。

それこそ普段はガチョウの首を絞めたような声でシャウトするようなロックンロールなる史上最も野蛮極まりない音楽ばっかり聴いているだけに、倉木麻衣の清涼感あふれる歌声、重厚なシンセ音、イケメンのダンサー、そして何よりも、お行儀のよろしいイマドキの若者の観客達・・・さまざまな面において、初体験で新鮮だったもんだから、終始、口をポカーン、と開けて妙に圧倒されてしまいました。

J-POPなんて全然聴かないし、倉木麻衣が業界の中での位置づけなんて全然わかんないし、興味もないから、彼女や今回のコンサートの評価なんか俺には全くできないので、どうこう言う気はさらさら無いんだけど、演奏を聴いている中で、ふつふつと感じたことがありました。

倉木麻衣の楽曲、というか、宇多田ヒカルなど、それこそ現在のJ-POP、特にR&Bの流れをくむ音楽全体に言えるんだけど、なぜに、ギターのアレンジやプレイスタイルは60年代後半〜70年代中ごろから進歩してないんだろうか?っていう。

まぁ、単純明快にブルースやゴスペルを始祖として、ギターを中心に自己中心的表現を磨いていったのがロック、ヴォーカルを中心にマーケティングによる市場主義的表現に進んだのがR&B/ソウル・ミュージック〜HIP HOPというカテゴリとしての説明は可能だし、MIDI音源においてギターの音を電子音に移植・再現するのが難しかった(つうか、2004年、未だにできていない)というテクノロジー面、80年代中期以降のロックの失速、さまざまな考察ができるのは間違いない。

しかし、ロックのようにヴォーカルと丁々発止の戦いをしているわけではなくとも確実にギタリストはR&Bやソウルのバンドでも間違いなく存在していたわけで。

今回の倉木麻衣コンサートに関して言えば、日本人のアンちゃん、見るからにガタイの良い黒人のお兄さんのツインギター構成で、伴奏の上モノはキーボードのみが殆ど、歌メロの裏では演奏はしているもののPAからの音は完全にカットしており、ソロ時のみ音が出てくる・・・ってな按配で、そのソロのフレージングは安モンなハードロックを思わせるハイポジションの速弾き〜鯉のごとく口をパクパクさせながらのチョーキングジェームス・ブラウンよろしく、サスティーンを長めにとったクリーン・トーン。それこそ下手したら、初心者向け教則本タブ譜で載ってそうなソロなの。

別に倉木麻衣のバックバンドのアレンジャーさんやギタリストさんをバカにしているわけではなくて、カラオケ仕様のダンスチューンと言えど、ベースのフレージングとヴォーカルの絡みがよくできていて、それなりにB級本格嗜好として聴かせる内容だけに、ロック・ギターに慣れた身としては、ギターソロが始まったとたん腰砕け状態に脱力してしまうんですよ。

そういう意味で、倉木麻衣だけじゃなく、宇多田ヒカルとかのCDを聴いてても同様で、歌い手本人とギターのアレンジの表現力が非常に乖離している印象があります。ロックという分野においては、ギターの表象能力は開発され尽くした感はありますが、R&B/ソウル・ミュージックのほうだと、面白い使い方ってまだありそうな気がするし、それがロックに刺激を与えていければ・・・とは思うのですが、なんせ、HIP HOPになるとギターレスが当たり前だし、エレクトリック・ギターという楽器の表現スタイルのこれ以上の進歩ってのはもうありえないのかもしれませんねぇ。残念ですが。


・・・とまぁ、こんなコトを考えつつ、生まれて初めてのJ-POP、ザッツ、エンタメ!なコンサートを意外と素直に楽しんでみたのでした。



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<参考LINK>

The High-Lows 公式WebSite http://high-lows.net/
倉木麻衣 公式WebSite http://www.mai-kuraki.com/
倉木麻衣 Rits メモリアルライブ2004 http://www.sec.gr.jp/rits-mai-kuraki/