というわけで、2005年の音楽シーンをまとめると宣言したものの、2005年というのはなかなかにまとめ難い年であったような気がしてならない。「ロッキング・オン 2月号」にて山崎洋一郎ら編集者陣が“2005年振り返り対談”なる渋松対談の向こうを張った鼎談を行っていて、私なりに大雑把に要約すると「2005年は傑出した新人は無かったものの、大物〜中堅ドコロのアーティストが順当に良作をリリースした年」としてまとめられている。ロッキング・オン誌の記事なので、当然これは2005年洋楽についての評ということになるわけだけれども、この傾向、わりかし日本のロックにも当てはまっているのではなかろうか。

ハイロウズPealoutPotshotPenpalsなど90年代末〜00年代前半のロックフェス定着〜盛り上がりを支えたバンドの解散や、高田渡氏が突然逝くなどの訃報がもたらされる一方、くるりPolysicsなどの若手から中堅に差し掛かったあたりの世代が非常に素晴らしい傑作を発表、The GrooversSoul Flower Unionら中堅どころも負けじと良作をリリースし、忌野清志郎花田裕之、大御所たちも貫禄のある新作や驚愕のリイシュー/発掘音源を発売するなど、“革命”こそ起こらなかったものの、充実度は高い1年であったと考える。

むしろ、「革命」という意味では販売チャネル側のほうが顕著で・・・iTMSmF247のサービス開始というのは、ある意味、どんな大物アーティストが新作をリリースするより衝撃的なインパクトがあった気がする。
自分は配信が主体の音楽ビジネスというものにはかなり懐疑的で、iTMSなんかはかなり憎いと思っているのだけれども、、、まぁ、これはまた別の機会に論じたい。